ダイレクトメールの作り方

ダイレクトメールを作る目的を明確にする

ダイレクトメールは、説得することが得意なツールだが、これをうまくやるためには、まずダイレクトメールで伝えることを整理することが大切だ。デザインから考えてしまう人も多いと思うが目的から考える。

ダイレクトメールの目的例

  • クリスマスフェアへの来店促進

ダイレクトメールに盛り込みたいこと例

  • フェアの内容
  • アクセス方法

ダイレクトメールの内容を考える

目的を整理したら、次は内容だ。

ただフェアの内容を伝えてはダメ?

街の小さな店舗の場合、ダイレクトメールはペラのハガキ(1枚という意味)になるだろう。ハガキは記載できるスペースが狭いので、そこにフェアで販売する商品情報をギチギチに細かくたくさん載せるのはやめよう。これでは受け取った人は来店させるのは難しい。

チラシを非常にうまく活用しているユニクロを参考にしよう

ユニクロのチラシ - Google 検索

ユニクロのチラシの価格と商品写真やスタイリング写真の大きさはとても読みやすい。商品が、インテリアや洋服、りんごなどの嗜好品であれば、このぐらいの写真やイメージ画像は載せたい

もし、商品の写真を見なくても商品名と価格だけで買いたくなるような商品ならば、価格と商品名の羅列でもお客様は集まる。ゲームソフトや家電ならばアリだ。けれどチェリーピッカーがそれだけを目的に来店し、なにも買わずに帰られてしまわないような仕掛けを準備しよう。たとえばゲームソフトはそのタイトルがほしいのであって、それがお店に無いなら別ソフトでいいか、とはならない。自分の商品がどのくらい指名買いされるのかを考えよう

フェアを告知する場合

とはいえフェアの概要を

  • クリスマスフェア実施中 
  • 12月1日(sat)〜25日(tue)
  • 店内すべて5%OFF

と書くだけでもダメだ。

ダイレクトメールに入れるべき内容

ハガキの場合、裏面には具体的な商品写真を大きめでいい感じで入れよう。また、宛名面はオファー情報、アクセス情報、日程、問い合わせ先などを漏らさずに。商品写真を大きめに入れる理由は、もちろん「誰に届けるか」にもよるが価格やオファー目的で来店するような人だけが来てしまうようなダイレクトメールを作成しないようにするためだ。

ダイレクトメールのデザインを考える

すぐにデザインを考える前に、載せたい内容についてもう少し洞察しよう。

 例えばなぜクリスマスにみんなフェアをするのか?その理由を考えよう

クリスマスといえば「フェア」でしょ、とりあえず5%OFFかな、とさすがにここまで思考停止している人はいないと思う。だが、クリスマスフェアの文脈を一度整理する。

クリスマスフェアをやろうとする文脈

なぜこの時期にフェアをやるか?

たとえばこんな理由だろう。

例 クリスマス時期に多く買われる商品だから
  • クリスマスケーキ、クリスマスツリーやオーナメント、キャンドルなどのクリスマスグッズ
例 プレゼントとして多く買われる商品だから
  • 子供向けのトイ、アクセサリーなどの贅沢な貴金属、革小物、洋服など
例 1年間がんばった自分への特別なご褒美として買われる高価なものだから
  • 高価なパソコン、家電、高級な家具など

クリスマスグッズであれば、激安、幸せなクリスマスが演出できることなどの訴求が必要になるし、プレゼントとしてならば、たくさんの人が買っているから品切れ、人気、No.1などだ。またご褒美という文脈なら、ラグジュアリーさや贅沢で愉しいイメージを伝える。つまり、商品やサービスと時期の掛け合わせによって、訴求すべき内容が異なるため、デザインはこれらを踏まえておこなう必要がある

誰に向けてフェアをやるか?

自分のショップにどんな人に来てもらいたいのだろうか?これもフェアをやる文脈になる。

例 ときどき来店してくれているが購入頻度、単価が上がってくれない人に
  • お店は気になっている、売られているサービスや商品も好き、だけど、高い・買う理由がないなどの理由で毎回は買い物してくれない人に、あの商品が今お安く買えますとアピールする
例 一度は来店してくれたがその後1回も来店してくれていない人に
  • 1度だけ買ってくれたが、そのときに見た他の商品にもとくに関心がなかったのでお店に再来店する理由がない人に、あのときとは違って今はこんなもの揃えているんですよとアピールする
例 お店の商圏地域に住んでいる人全員に
  • 地域に発送できるDM便を使い、新規、既存顧客含めてお店の紹介をして来店を促す

一度も来店していない人には商品のことやお店のことから伝えなければいけないし、お店に一度は来て会員登録した人ならば、価格訴求やより具体的な品揃えの変化について訴求する必要がある。ここでも、デザインするべき内容が異なってくる。さらに、

なぜやるか?の発展形

クリスマスには、自分になら自分へのご褒美として買う、誰かへのプレゼントならば、送った人に喜ばれる贈り物を買うという文脈があるが、クリスマスに人はよく買い物をするからという直接的な文脈だけでなく、クリスマス時期に多くの人がする行動という広い間接的な文脈から捉えるとDMによって動かせる人が増える。例えば、クリスマス時期を多くの恋人たちがデートする時期という文脈で捉えれば、クリスマスフェアで来店してもらうフック(人の心を動かす仕掛け)を、贈り物をふたりで選ぶことからクリスマスははじまっているからという文脈でも考えられる。

受信者にそのDMを送ることの理由や意味をきちんと伝えることがデザイン

目的や文脈を整理すれば、おのずとデザインの素は出来あがる

デザインが思いつかない、インパクトのあるデザインが作れないと悩む人は、考える方法が間違っている。商品の人気度や、今ならマニアックな品が手に入る、ほしかったあの商品が激安で手に入る、贅沢さ、など伝えるべきことがわかれば、デザインとして踏まえるべき要素、トーンアンドマナーが決まる。

ハガキ形式のDMで重要なのは宛名面

DMで重要なデザインは、レイアウトだ。特に面積は狭くなるが宛名面は100%の人が見るので非常に重要だ。電子メール、メルマガでの販促はコストが安いがほぼ50%以上の開封はない。最近のGmailでは、宣伝はプロモーションフォルダに自動振り分けされるので、件名(subject)すら読まれない。それに引き換え、宛名面の情報は100%の受信者が見る。これだけでもダイレクトメールの訴求力の強さがわかる。

まとめ

ダイレクトメールを作るときに、いきないラフを書いたり、デザインを考えていけない。目的や届けたい人、伝えたい内容を整理していくと、自ずと表現の企画や入れるべき内容が思い浮かんでくる。

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  • ダイレクトメールの発送についてはこちらの記事を。

how-to-design.hatenadiary.jp