法人営業で成功するダイレクトメール

法人営業のダイレクトメールを作るコツ

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DM for B2B Marketing

法人営業のDMは、俗に言うセールスレターやセールスコピーをベースに作っていてはもったいない。DMは高価な施策。リード(見込み客)獲得に全力を注いだ方が効率が良い。

送付リストの方は実は比較的簡単に用意ができる。業者から購入してもいいが、クローラーやWebスクレイピングして自分でネットから作成できてしまう。簡単に数千社ぐらいのリストは作れるだろう。

となると、法人営業DMを成功させるコツは「オファー」だ。

DMの目的を明確に

リードの数量獲得を最大化するためには、DMの目的を明確にすることが必要だ。ダイレクトメールは説得することが得意な媒体なので、デザインを考える前にダイレクトメールで伝えるべきことを整理することが大切だ。

ダイレクトメールのベストプラクティス

例えば、「メールセキュリティ」(クラウド型でメールウイルスを検知するサーバーサービス)という新商品を販売するケースで考えてみると、目的と盛り込むべき内容は以下のようになる。

1.ダイレクトメールの目的

  • 新商品「メールセキュリティ」の販売リード(見込み客)の獲得

2.ダイレクトメールに盛り込むべきこと

  • メールのセキュリティに関しての意識レベル診断アンケート
  • 無料でできるメール安全対策ガイドブック
  • 商品、会社の紹介
  • お申込み方法

いきなり結論から書いてしまった。

なぜこの内容がベストなのか?その理由を以下に書いている。たかがDMされどDM。DMにはB2Bマーケティングの基本が詰まっている。

リードを最大に獲得できるのはやはり無料オファー

 B2Bの場合、与件の整理や契約の条件、また値引きの交渉などクロージングまでにたくさんの対応処理が必要になるが、当然ダイレクトメールでは対応できない。これは営業部門の領域。ダイレクトメールの役割はリード数の最大化においた方がよりKPIがシャープになり効果を最大化しやすい。

そして、リード数を最大化しやすいのは当然「無料オファー」だ。つまり、よく健康食品で見られる「お試しセット」的なもの。最近は完全無料ではなく、500円という金額設定がされていたりするが基本的な考え方はいわゆる「2ステップ」で同じだ。

無料オファーはリードの質を問題視されるケースが多い

無料オファーはリードを最大化するものの「リードの質」を営業部門に問題視されるケースが多い。リードの質が問題とされたりするのは、たとえば、興味があるけど全く導入できないセグメントからの反応、学生、大学の先生、よくわからない個人、他社製品を導入したばかりの法人などから反応が来るときだろう(リストも悪いのでそれも対応すべきだが)。

しかしながら、リードの質はDMの中身でコントロールするよりも、対応するオペレーションで工夫することが望ましい。なぜなら反応率が数%の世界での微調整はブレが大きくなり機会ロスのリスクのほうが高いからだ。(運動会とかで、カメラの望遠レンズで思いっきり拡大している最中に被写体を追っかけたことがある人はわかっていただけるだろうか。被写体がレンズからアウトしてしまってうまく撮れなかったときの家族からの冷たい視線をwww。)

問題は転移する法則

唯一リードの質を調整するとすれば、無料オファーを500円とか有料設定にするオファーによる調整ができる。しかしながら中途半端な有料オファーにするぐらいなら、やめたほうがいいと思う。B2Bの場合は、サービス機能と同じぐらい重要なものに、サポートの質が求められる。無料ならまだ我慢してくれる人もいるだろうが、1円でも課金してしまうと、とたんに今度はサポートの質の部分が問題になってくる。これを僕は、「問題の転移」が起こる、と呼んでいる。立ち上げ間もないベンチャーにとって、サポートの質を上げるのは非常にやっかいな課題だ。

では、オファーは無料にするとして、SaaS系の場合にすぐに思いつくのは、無料トライアルだろう。でも、B2Bにおける無料オファーはトライアル使用だけに限らない方がいいと僕は思っている。

B2Bの場合、無料トライアルに限らない方がいい理由

 SaaS系のビジネスモデルの場合、MQL(マーケティングクオリファイリード)の数が重要な経営指標になっているケースが見受けられる。KPIドリブンであることは望ましいが、実際には企業は売上金を稼ぐことが目的。MBOしても1円も儲からない1従業員たちは、株主から言われた経営重要指標だけを目指すのは無意味だ。(言い過ぎかwww。)

無料トライアルに限定しないほうがいい3つの理由

  1. そのサービスを使い始めたときがもっとも顧客の期待値が上がっているのに、大抵の場合無料会員のためサポートもできず、それで顧客もサービスを上手に使いこなせず、不満足ばかりが急激に溜まってしまう
  2. 無料だから一度使ってみようといって会員になる顧客の場合、ニーズやコンフリクトが多様化してしまい、手なりの転換率から意思を持って転換率をあげることが難しい
  3. いわゆるベータバージョンから商品を仕上げるという目的の場合に、無料で顧客をたくさん集めてしまうと、エンジニア部門がグロースハック対応できないので本末転倒

など、ちょっと考えただけでもこれだけある。上のような問題を考えた上で、無料トライアルからの本契約への転換のPDCAがうまく回せるプランがあれば、無料トライアルでDMを実施するのもよいだろう。しかし、正直厳しいと思う部分があるならば、無料オファーをホワイトペーパーにするほうが無難だ

ここまで勢いで書いてきて、たかがDMを作るだけの話題だったはずだが「オファー設計」というのは事業全体の検討も同時に必要になるのだとあらためて実感www。 

無料オファーは営業部隊に問い合わせ対応させない

しかしながらたとえば、無料ホワイトペーパーオファーにした場合に、DM経由の問い合わせフォローを営業部門がすると「DM経由の問い合わせ全然興味がないやつらばっかじゃねえ。売上にもつながらない対応なんてさせるんじゃねえ。」なんて、嫌味や苦情を言われるケースが後を絶たなくなる。

営業部隊の接客キャパシティが足りてないのであれば、そもそも新規営業が必要なのか?という疑問もあるけれど、新規営業部門、既存営業部門、サポート部門、販促部門など、部門ごとに組織化されているか否かで無料オファーの対応をどこでするかを決めなければいけない。ここでは一旦、理想の形を書いておく。これを素に自分の組織ではどうやって取り入れればいいのか?ということを考えてほしい。

結論から言うと僕は、MQLからSQL(セールスクオリファイリード)にするまでに、必ずインサイドセールスが必要だと思っている。マーケティング部門で生じた「無料オファーのリードの質が低い問題」を他部門に転移させることなく、部門内で対処するということだ。

無料オファーの詳細設計

そもそもDMが到着したタイミングが、潜在顧客がレスポンスができるタイミングである可能性は低く、さらに反応した人の中で即商談にまで持ち込めるのはたぶん5%ぐらいだ。だから、営業部門からは苦情が出るわけだ。こういうgivenの状況を踏まえてどう無料オファーを設計すればよいのか。

まず問い合わせ発生時に、興味関心を測れる仕掛けをつくるのがよい。つまりアンケートだったりオファーそのものを購入への温度感により反応する人が違うようなオファーを作ればいいのだ。

もう購入フェーズまで進めたい人は価格表の請求に反応したり、まだまだ情報収集の段階ならば、業界知識や検討すべき内容そのものを探していることが多い。たとえばさっきの商品の例ならば、セキュリティについての最低限知っておかなければならない基礎知識系のホワイトペーパーブック(IDS、DMZなどの用語を出しつつ興味を引く)を作成して無料配布することからはじめよう

そこから、仮申込や本契約への道筋を作るのがインサイドセールスの役割というわけだ。

インサイドセールスの対応

中小企業の場合は営業パーソンの人数と、当期の売上件数、売上金額がうまく調整できているケースは圧倒的に少ない。目標金額をどう達成するかがKPIドリブンではないことが多いというか、努力も含めて達成目標とされているケースが多いのだ。

これでは事業計画が達成できない可能性が高い。というのも事業計画がそもそも努力をベースに計画されていると、期中になにか1つでも失敗したとき、年間で達成が見えなくなることが多いのではないだろうか。会社の事業計画というのは達成したからこそ給与が払われ、達成できなかったら払われない、支払う利益がない、となるべきで、そうしなければシンプルな経営(無駄のない経営)ができない。

脱線してしまったが。。。

インサイドセールス部門の役割はリードナーチャリングだ。

問い合わせが発生したときに、

  • 商談の作成(リードのスクリーニング)
  • 商談のお断り(決着)
  • 商談を断られたリードへの再アタック
  • 中断商談したリードへの再アタック

をやるのがインサイドセールス。つまり、リードの質が低い前提で、リードの質をコントロールするのが組織の目的だ。基本的にはテレホンアポインターとマーケッターが混じった構成人員となる。この部門でMQLを半SQL化することで、DM(の無料オファー)を最大限に生かすことができるようになる

DMはデザインの美しさが重要

DMの最大の弱点は、開封や読了率だ。これを100%にするためにデザインにこだわろう。文章はわかりやすくロジカルで洗練されていれば特に問題はない。受注における見た目の印象は実は重要で、特にB2Bの場合はノンバーバルコミュニケーションは極めて営業成績に影響を与えるという結果が出ている。文章は、いまこの商品について関心を持ってもらう理由や、今あなたに伝えている理由が入っていればよい。なぜなら、ビジネスの場合は、受信者側に課題意識がありそれは解決すべき問題であることも認識しているので、B2Cのような勢いだったりジャンプ率の高いデザインでなくてよい。一方で、課題を抱える人にとっては課題をすばやく簡単に解決したいわけだから、ぐちゃぐちゃでデザインも汚いと、その期待感がまったくなくなってしまう。いくら理屈で説得しても実際は…(つまり中身は…)と言われるのが、B2Bの場合は「デザイン」なのだ。論理的でロジックが正しく、さらに美しければ必ず読んでもらえる

まとめ

B2B向けのダイレクトメールは、キャンペーンで一発受注を狙うよりも、無料オファーで、かつ見込み客の見極めが行えるような対応を考えるほうがいい。